20分でわかる不要輻射対策

以下の文面はある機会に作成したものですが公益性の高い内容が含まれているので切り出して公開することにしました。輻射の発生から対策の手がかり、現実的な運用まで参考になりそうなことを書きます。かなり実践寄りの内容になりますので、短めにまとめています(20分で読めるかどうかはその人次第)電磁気学の理論的な細かいところを知りたい方は是非専門書をあたって下さい。私の電磁気学のベースの知識の大体は大学で使ったこの教科書でした。 ちなみに私の不要輻射対策の実務経験としては某大手企業時代のものが概ねベースになっています。(... Read More >>

『地球温暖化 「CO2犯人説」は世紀の大ウソ』の意訳まとめ

先日なんとも挑発的なタイトルの本を読んだ。 数名の研究者がそれぞれの視点で寄稿したものをまとめた本で、一本の筋道で組み立てられたものではないため自らの理解のためにも意訳のまとめをおこしておく。なお、私はこの分野の専門家ではないので両陣営の是非を問うようなことはしない。そんなことはある意味興醒めだ。 純粋に著作者たちの意図をある程度噛み砕いて並べることにのみ注力したい。なお著作者たちは東京工業大学を始めいくつかの大学や国立研究機関での研究者たちだ。とはいえところどころ偏った思想もチラホラ存在する。しかしそれ... Read More >>

パスワード付きZIPは撲滅すべき

先日情報処理学会の冊子でこのテーマについて特集が組まれていたのと、いくつか某大企業とのやりとりの中でいわゆる– パスワード付きZIPを.zi_で送付– 後続メールでパスワード連絡というプロセスの中で色々とトラブルがあり(最近そもそもメール使わないしね)たかが数kBのデータを受け取るために随分と苦労したという徒労感とタイミングがかぶった。 なぜパスワード付きZIPは害悪かを、すでに色々な人が書いてるから今更感はあるだろうけど、誰でもわかるように簡単に書きたいと思う。 なぜ無意味かを簡... Read More >>

で、結局Zoomについてどう考えれば良いかという話

みなさんお使いのZoom。「色々とセキュリティ問題が言われてるんでしょ!?」って話が聞こえて相談も舞い込む。なので書く。 ちなみにプロが細かいことは色々書いてくれているので、例えばここらへんとかね。https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2004/22/news026.html ということでこのポストでは「私なりにこういう問題とどう付き合うか」というスタンスについて書く。ソフトウェアのアップデートが日々行われる時代において、細かい最新情報を追うポストを書くこ... Read More >>

特許を取るのが必ずしも正解とは限らないという話

特許を取るのはある種「当たり前」 事業戦略を立てる人も、スタートアップを立ち上げる人も、多くの場合で気にしていることのひとつが「特許」だろう。投資家や決裁者が大抵特許の状況を聞くからというのもあるだろうし、実際に特許を沢山持っている会社が巨額の出資を受けたり、研究機関では取得特許の数である程度評価が行われたりするからだ。 そもそも何かしら技術的な発明があった時に、それを権利として守るために申請するのが特許だ。そうやって権利化されたものには特許権が与えられ、その技術の使用について他社に一定の制約を課すことが... Read More >>

スタートアップの悪い噂はすぐ広まる

あまり誰も言わなくて、界隈にいる人なら誰でも知っていることを書こう。 スタートアップの悪い噂はすぐ広まる。 「どこどこはそろそろ資金がショートしそうだ」「キーパーソンの誰々さんが辞めるらしい」「先月資金調達クローズするって言ってたけどリードが降りてぽしゃったってさ」 色々なパターンがあるがこれらの情報が出回るのはものすごく速い。 それこそ世間を1, 2年先取りする のだ。すごいでしょ。笑 情報が速い理由は主に「社会が狭いから」そして「スピードを重視する人間たちにとって情報がすこぶる重要だから」だろう。 情... Read More >>

自己肯定感ではなく自己効力感を重視しよう

先日とある方から「私は自己肯定感が低い」と言われた。その方は高校で芸術系の学校に行き、あまりに突出した人間たちに囲まれていかに自分が大したことないかを痛感したということらしい。それ以来基本的に自己肯定感は低い、と。 確かにアートの領域で傑出したひとというのは特異な存在であることが多い。私は中学の同級生に現在大活躍中の漫画家がいるが、彼は授業中によく謎の落書きをしながら独り言を言っていた。 後ろの席のおれのノートにね。笑 変なやつだなぁと思っていたが卒業してしばらくしてマガジンの売れ筋漫画のアシスタントをや... Read More >>

なぜ私はシェアリングエコノミーが嫌いなのか

私はある種シェアリングエコノミーに対して否定的な態度だ。以下長文になる。タイトルでイラッとした人は読まない方が良いだろう。きっとより一層イラっとするだろうから。冒頭「ある種」と書いたのは弱めて言えば「限定的に」強めて言えば「だいたいは否定的で一部は違うけど」という意図だ。最初にそこらへんを紐解いておかないと読みづらいと思うのでまずはそこから。さて、シェアリングエコノミーには大きく分けて・資産のシェアリング・労働力のシェアリングがあると考えられる。「労働力も労働者が持つ資産の一部だろ」という批判はここでは受... Read More >>

逃げるは恥ですらない、上策である 〜 狂気に頼らない生き方を 〜

「ミシシッピ計画」という言葉をご存知だろうか。18世紀のフランスで発生した史上最大級のバブルのことである。詳細な説明は専門書にお任せしたいが、ここでは話が通じる程度にかいつまんで以下で説明する。 18世紀初頭のフランス経済は落ち込んでいた。亡きルイ14世の浪費のためである。しかしそれを憂う摂政(実質的な最高権力者)も、また周囲の人間も凡庸で、さしたる解決策を見いだすことができていなかった。そこに現れたのがスコットランド人のジョン・ロー。彼は数学に天才的な頭脳を持つものも、倫理観に乏しく、賭博で財を築き、酒... Read More >>

キャリアに悩めるあなたに

以前とある「漠然とした悩み」が話にあがり、私なりのコメントを返す、なんていうやりとりがありましたが、あとで振り返って、一般にも通用する内容だったなと思えたので以下にまとめ直してみました。キャリアに対してどうモチベーションを保っていくか悩んでいる人にとって何かの参考になれば幸いです。対象者は、・ある程度キャリアを積んでいる・現在やっていることが自分の成長に繋がっているのか確信が持てない・どちらかというと他にやりたいことがあるというような人です。私のルーツはコテコテのエンジニアですが、以下に示すことはエンジニ... Read More >>

メディアに出るということ

先日「日経ビジネス」「日経コンピュータ」で紙面デビューを果たしました。わーい。昨年登壇させていただいたカンファレンスのレポート記事ですが、今年も継続的にホットな話題であろう「AI」の文脈の中で登場させていただいていることにも関係者の方々に深く感謝いたします。 さて、枕詞はこのくらいにしておいてきちんとネタバラシをしよう。カンファレンス登壇のご招待はそもそも私が取締役を務める会社の子会社であるスイッチサイエンス宛に受けたものだった。それが広報レベルでどのようなやりとりがあったかは私は関知していないが、私にミ... Read More >>

技術が無限に伸びていくという幻想に冷や水 〜ムーアの法則と感情AI〜

先日妻が 「人の感情を読み取ってレコメンドするAIが今後発展して云々」 という記事を読んで「そら恐ろしい」とコメントしていた。彼女は元看護師である。 医療は万能ではない。治せる患者もいれば治せない患者もいる。 必ず治るのに今が不安でたまらない方もいれば、検査の結果が出るまでに体調を崩してしまうような方もいる。 そんな状況で看護師は「人が何をして欲しいか」「今どういうことを考えているか」「どういう寄り添い方ができるか」を真剣に考え、アクションに変えなければならない非常に難しい職業だ。何が彼・彼女が好きなもの... Read More >>

2019年下期に読んだ本をひたすら貼る

順不同だが昨年下期に読んだ本をひたすら貼る。つくづく雑食である。なお技術系はキリがないので一切含めていない。あとフラッと本屋で買って読んで処分してしまったものも(意図的ではないが)含まれていない(たぶん)今更感があるものも多く並んでいるが、むしろそういう「読もうかと思ったけど読んでなかったもの」を読む時間が取れたことが非常に有意義だったように思う。 ... Read More >>

Who am I

九頭龍です。 最近自己紹介が複雑になってきたのでこちらにまとめておくことにします。 初対面の方のためのかなり端折った自己紹介になっていますので、もしもう少し突っ込んだ内容に興味を持たれた方は適宜このブログの他の投稿を参照いただければと思います。なおとあるところでアレンジいただいた自己紹介は以下のとおりです。 『日本の大企業』と『シリコンバレーのアーリースタートアップ』の両面の経験を持つハードウェアエンジニア。 1978年東京都出身。2003年東京工業大学大学院を卒業後、ヤマハ株式会社に就職。多くの製品開... Read More >>

ググレカスとテラワロスは幼馴染

ローマ帝国元老院議員のググレカスと詩人のテラワロスは竹馬の友である。(Wikipedia参照) もはや20余年前となるネット黎明期を思い起こすことができた。いわんや「ネットの情報を信頼するかどうかは慎重に」と。インターネットリテラシーというやつだ。(死語?) ここで上記問題の「ことの真偽」は問題にはしない。私は歴史学者ではないし言語学者でもないしその点について一切興味がないからだ。そもそもググレカスがどういう人間だったかということはなにぶん昔の人のことだし、あとググルカスという名前のよく似た人物もいたらし... Read More >>

起業は社会人スポーツみたいなもの(必然性の視点)

やるべきか、やらざるべきか、それが問題だ社会人として生きていく以上様々な外界(他人、外国、宇宙?)との付き合いが発生する。それらには溢れんばかりの課題や不具合が転がっていて、それらは「解決すべきではないのか?」とあなたの心を揺さぶる。健全な魂は健全な肉体に宿るやるべきことをやらないのはストレスである。自分がその解決策に気付いていたりしたら尚更だ。酷く健全ではない。 しかし一方でやるべきことが複数あるということは社会人であれば誰もが知っている。社会問題を解決するのも良いがそれで家族を路頭に迷わすのはどうだろ... Read More >>

リスクアセスメントとリスクマネージメントの違いについて説明するとスタートアップの精神が説明しやすくなる

リスクアセスメントとリスクマネージメントはひとによっては同じ言葉のように捉えているひとがいたりもするのだが、当然意味合いは違う。 とりあえず教科書的に言っておくと、 リスクアセスメントとは「assess=評価する」のとおり、リスク自体を過去の経験や賢人のノウハウから認識して定量化および資産化することである。 リスクマネージメントはそれを「manage=管理する」ことである つまりアセスメントがあって、その後にマネージメントがあるわけだ。 あ、ちなみに端折ってしまったがリスクというのは一般にはリリース... Read More >>

数字もいいけど現場の知識

事業計画書の手本的なお作法として 「業務効率改善」「効率化と人件費削減」「しかるして市場価値は」 という文脈はよく見る。 全くもって間違っていないし、それが無ければ会話できない(会話してくれない)種族の人もたくさんいるのでぜひ整えて欲しい。 しかし、ここではその後にある「誰もが出くわすちょっとした裏側」の話をしたい。 これは全然勿体つけるような大層なものではなくて、誰もが事業に対して一歩二歩あゆみを進めたら絶対に出くわすのだ。 例えば、BtoBのビジネスをイメージしてみよう。 あるサービス業界をター... Read More >>

誰がオーナーなのかハッキリさせとけよ

技術シーズを元に立ち上げたアーリーステージの会社にありがちなケースとして 「誰がプロジェクト・プロダクトのオーナーなのかが話を聞いててハッキリしない」 という状況によく出くわす。 理想的なのは ・経営判断を行う資質を持ち、かつそれに対して責任を持てる人 ・一番株を持っている人 ・コミットメントが最も高い人 ・業界情報や顧客ニーズに詳しい人 が同一人物であることだ。 ある程度成熟した企業においては必ずしも同一ではないことが多いが、初期の、特にスタートアップにおいてはそれらは同一であることが著しく望ましい。... Read More >>

法人化 :「とりあえず 法人化 」することのメリットについて

アイディアはある。スタートアップを立ち上げるかどうかは悩んでいる。試作をやったり実験はしてみたいと思っている。 そういう状況ならとりあえず 法人化 はするべきだ。 いくつか明確なメリットがあり、デメリットは金がかかることくらいだ。 まず多くの人が誤解してそうなことを正しておこう。 < 登記にほとんど時間はかからない > 具体的な内容は様々なブログポストや地方自治体の説明ページがあるので確認して欲しいが、 – 印鑑作る – 会社名考える – 法人の銀行口座を作る く... Read More >>

独自性がなくても起業しなはれ

昔こんなポスト 小林亜星が「音楽なんてほとんどがパクリ」と言ってたけどそれはある意味で真理なわけで、https://www.clazytech.com/2013/12/95/ を書いたわけだが、「独自性が弱いんで。。。」と起業を諦める言い訳くさい話を聞くことがたまにある。 まぁ大抵はもうちょっと強気なわけで「独自性が弱いように思うんで、どうすれば差別化できますかね!?」と聞かれる。 きちんとそれぞれの事業分野や技術的チャレンジに即してアドバイスをする。基本は – 他社・他人がやらないこ... Read More >>

株式取られんなよ

スタートアップのみに限らず、全ての株式会社の経営者にとって株式比率はとても重要だ。 そんなことは小学生でも知っているが、大事なことは 「出資を受けた時にどう振る舞うべきか」 だ 当然ステージによる。 ステージについて簡単に定義を表明しておくと(学術的なものは専門書に任せる)ざっくり ・シード(まだ市場はよくわからんがコンセプトおれすげぇ!) ・シリーズA(市場ローンチができたかその目の前) ・シリーズB(ローンチはできてるのでスケールさせたい。ビジネス的には国外展開だったり、新規事業の挑戦だったり)... Read More >>

「起業すらならこれは知っておこう」について

カテゴリ「起業すらならこれは知っておこう」について。 これを書こうと思ったきっかけはここしばらく緩やかに存在した。職務上様々な方からビジネス的・技術的なアドバイスを求められることが増えている。 その返答の宛先が大企業であれば私のアドバイスや経験談はあくまで「こんな尖った野蛮な発想もあるらしい」という、ある種珍獣を見るような『良い刺激』で終えて構わないし、むしろ大多数の方にとってはそうであって欲しい。 企業体というものは資本主義社会の象徴のようなもので、そこでは大数の効果が「抑止力」「調整」、時に「忖度... Read More >>

Declarative KnowledgeとImperative Knowledge

たまにMITの講義をedXで聞くのだがalgorithmに関する講義のなかで興味深い話があったのでまとめる。前者のDeclarative Knowledgeが日本語で言えば「お題目」、後者のImperative Knowledgeは具体的な「手順」前者が数式や定義そのもののことを指し、後者がステップ化された命令のこと。前者は何も答えにたどり着く方法を教えてくれない。後者は逆に無機質に方法のみをしっかりと示す。 Imperative knowledgeの代表例がステップ実行のアルゴリズム例えば y * y ... Read More >>

意識低い系のススメ

「意識高い系」というと通常意味するのは、細かいことにいちいちこだわりを持って、ちょっとした小物や使い捨てに近いような道具にでもブランド物やオシャレアイテムを選択し、ハイソな雰囲気のカフェでランチを食べ、自己啓発と教養の向上さらには健康の増進なんかに非常に強い興味と意識の高さを持って自己投資し、かつそれを全く隠そうとしないひとむしろドヤってひけらかしてくるひとのことではないかと思う。 そして恐らくここに自然に付帯するキャラクターとして 『自信満々で順風満帆』 とも言えるのではないかと思う。 私は特にスタート... Read More >>

出資もIPOも無い方が幸せという絶対的事実

スタートアップを立ち上げて、アーリーステージでもっとも苦しめられることが資金調達だろう。やれ「〇〇は☓☓からの第三者割当増資を行い△△億円の資金調達を行いました」とかいうとカッコイイよね。やっぱ。しかし出資なんて受けないほうが良いのだ。「オイオイ、アホか」と思うかもしれないがそれが事実。絶対的事実その1。だ。ポイントはいくつかあるので挙げてみよう。 出資は結婚である。いや、時にもっとエグい 出資を受けることは重婚可能な結婚みたいなものである。 運命共同体と言えばカッコイイが、家族に対する責任も発生すれば... Read More >>