Q. 非生産的な会議の生産性の上げ方
ただでさえミーティング嫌いな私が、非生産的な会議を許すわけがありません。笑
ここで「非生産的な会議」とはどのようなものを指すでしょうか。 いくつかパターンがありますが、典型的なものを挙げます。
1. 会議の目的がハッキリしない会議
2. 誰か一人がひたすら話しているだけの会議
3. 情報共有以上のことが一切行われない会議
4. 深堀りや脱線を繰り返す会議
これらは当然ながらファシリテーションをきちんとすることで回避できます。 しかし、仮にあなたが「典型的非生産的会議」に面したとしたら、その時は必ずファシリテータが曖昧か、ファシリテーションがイマイチかのどちらかなので手を入れる必要があります。
そのような時、やりがちな禁止行為が「おれがまとめる」です。
そもそも会議は複数のメンバーで意見を交換したり議論をぶつけることが重要です。 特に、あなたがその集団の中で主導的な立場にある時ほど「自分の意見で場をまとめ過ぎないように」と気をつける必要があります。 やるな、とは言いませんが避けるべきです。なぜならあなたの意見でまとめてしまうなら、そもそもその会議は不要だからです。「あとでSlackするわ」とでも言って即解散しましょう。
では生産的な方向に向かわせるファシリテーションとは何か。
<前置きする>
「このミーティングやばいかも」と感じたら冒頭の数秒だけ主導権を握りましょう。 ファシリテーション役の人がもしいる場合は、その人に質問するような形でこのミーティングの「前提」「目的」「ゴール」を極力端的に誰でも記憶に残るように簡潔に言うのです。 みんなが「きっと」わかっていることだとしても言いましょう。人間案外忘れてるし、意識していないのです。
<ゴールに向かう話以外を徹底的に排除する>
あなたはほぼ聞き手に徹底して下さい。そしてツッコミ役に回ります。 ツッコミ役の大事な仕事のひとつは話を本筋に戻すことです。 アイスブレイクは重要です。微笑ましい雑談も必要でしょう。しかしそれらの時間をスパッと切るのです。誰かが切らないとそれらが延々と続くことはよくあります。進んでぶった切る役になりましょう。 その際に重要なのは「冷たい雰囲気を出さないこと」です。ある種のユーモアと言っても良いかも知れません。そう言われても簡単にピンとこないかも知れません。これは通り一遍のやり方があるわけではないので試しに何度かやりながら自分なりのスタイルを開発して下さい。
私が使う方法のひとつは「しれっと質問をする」です。 「さっきの話でわからないところがあったんですけど」という形で。これはとても自然に話を戻すことができます。「盛り上がってるところごめんねー」という柔らかい雰囲気も出しやすいので穏便に使えます。
<5分以上右往左往しない>
そう簡単に結論が出ない話というのはあります。むしろそんなことしょっちゅうです。 技術的課題の解決方法、検証結果を元に次のアクションをどう取るべきか、この品質で市場投入するかそれともさらに時間と費用をかけてでも品質改善に取り組むか。 メンバー同士の意見も割れ、どちらの主張が正しいとも取れそうなデータがそれぞれ提示される、結論を出すのは非常に難しい状況です。 そんな時は一旦議論をおしまいにしてしまいましょう。
私は「5分以上考えて結論が出ないものは諦める」ようにしています。 結論を出すことを諦めて、むしろ「結論を出すために何が足りないのか」を考えます。 そうすると情報であったり、きとんとした知見者の意見であったり、追加実験であったり、「それさえあれば結論が出る」と思えるものが見つかるはずです。 実際のミーティングの場では良いタイミングで提案をして結論は一旦保留というように誘導しましょう。 重要なのは「次のアクションを設定した上での保留にする」という点です。
<時間に厳密に振る舞う>
「もう何分過ぎたので」と私はよく言います。 例えば30分で結論を出さなければならない会議で、前提条件の説明に10分以上かかったら議論の時間がなくなります。また25分過ぎた状態で結論の手がかりが見つかっていなかったら、残りの時間で「結論」→「合意」と至れない可能性があります。またその逆、話のオチが完全についた後にダラダラと話し続けている時間も無駄が多いです。 そういう時はスパッと切ってしまっても良いのですが、もし穏便にやりたければサラッとみんなに時間を意識させることを言うのが効果的です。ちょっと器用ではありませんが「あ、もう〇時だ」というようにポロッと言うのは簡単なことです。
<とにかく明るく>
深刻な内容をみんなが噛み締めている時間ほど無意味な時間はありません。 生産的な流れを作るのは生産的な雰囲気です。とにかく明るく振る舞いましょう。明るく振る舞うのは疲れますが、その分ミーティングを早く終わらせて休憩時間をしっかりと取って下さい。