『地球温暖化 「CO2犯人説」は世紀の大ウソ』の意訳まとめ

投稿者: | 10月 6, 2020

先日なんとも挑発的なタイトルの本を読んだ。

数名の研究者がそれぞれの視点で寄稿したものをまとめた本で、一本の筋道で組み立てられたものではないため自らの理解のためにも意訳のまとめをおこしておく。
なお、私はこの分野の専門家ではないので両陣営の是非を問うようなことはしない。そんなことはある意味興醒めだ。

純粋に著作者たちの意図をある程度噛み砕いて並べることにのみ注力したい。なお著作者たちは東京工業大学を始めいくつかの大学や国立研究機関での研究者たちだ。とはいえところどころ偏った思想もチラホラ存在する。しかしそれは著作の論調に従ったものでありここで私はそれを強めも弱めもしない。


【CO2と温暖化は『関係』がある】

マクロ視点でCO2の増加と温暖化は相関がある、ということは否定しない。事実だ。

ただ、いくつかの疑義がある。
例えば、
・産業革命後に温暖化が起きていない
・CO2が劇的に増加した時期に寒冷期が来ていることがある
・CO2の赤外線吸収は上空では確かにそのとおりだが、地表付近では水蒸気の影響の方が大き過ぎてCO2の影響は小さい
・過去の歴史を振り返ると、人為CO2など存在しなかった頃から地球は温暖化したり寒冷化したりしてる
などなど。
つまり「相関はある程度あるかもしれないが温暖化の主要因だという主張(CO2削減すれば全て解決するという主張)には作為を感じざるを得ない」ということだ。

【雲の影響】

地表の熱は主にどこから来ているかといえば太陽だ。その太陽の熱をどのくらい取り入れるかというのは「アルベド」と呼ばれる係数で表すことができる。
例えば海は太陽の光の大半を反射するので0.9。土は低いが、砂漠は案外高い。
アルベドの数値を動的に変えるのが雲である。そして雲がどうできるかを支配するのがエアロゾル(空気中の微粒子)
エアロゾルが大量にあれば雲ができて太陽光は地表に届かず寒冷化が進む(恐竜絶滅の時期と同じ話)

IPCCのGCM(全天気候モデル)は地球全体のアルベドの見積もりが甘く、結果的にCO2の影響が寄与率として大きく出てしまっているのでは?という指摘がある。

CO2の増加より水蒸気の増加の方が温室効果はある
それは事実。そこでそれを知っているからこそ、CO2が増えることで少し温度が上がると大気に含まれる水蒸気が増えて温度が上がる。そうするとまた水蒸気が増えて、、、の論理を使ってCO2と温暖化を結びつけて予測するモデルが出来上がっている。しかし気中の水蒸気、つまり雲の形成のプロセスはまだまだ予測困難で、信頼できるデータが不足している。しかし世論的な決めつけがなぜか完了している。


【温暖と寒冷を行ったり来たり。世論も行ったり来たり】

世論を振り返ると、1900年頃にオングストロームという研究者が、
「CO2の赤外線吸収は上空では確かにそのとおりだが、地表付近では水蒸気の影響の方が大き過ぎてCO2はほとんど影響がない」
ということ発見して、一度「人為CO2説」には終止符が打たれたという歴史がある。
しかしその後、1930年代に異常気象が起こると、カレンダー(エネルギー学者。気象は門外漢)という研究者がCO2地球温暖化説を再び持ち出した。ちょうど異常気象の時期だったから一気に世論の賛同を得た。しかしカレンダーの晩年は彼の予想に反して寒冷期が訪れ、失意のうちに死んだとかなんとか。

1960~70ごろは氷河期到来説が言われていた。転じて80年代は温暖化説。忙しい話だ。

1977年頃、再び温暖期の周期に入り、またまことしやかにCO2説が言われるようになる。しかしそれも2006年以降またぱったりと寒冷化が進む。相次ぐ大雪や厳寒にIPCC系の学者たちは世論形成にすったもんだしたものだった。

1990以降の寒冷化はピナツボ火山の噴火のせい。
1993年に日本では米不足。冷夏になり26%収穫減。タイ米を輸入して凌いだ。

2012年に海面の温度変化は海流でほとんど説明できるという研究結果が発表される。
なお海流は自転、公転、その他引力で説明できる。(CO2は入ってこない)
温暖化によってグリーンランドの氷が溶けると大量の淡水が海に流れ出て海洋大循環が止まる、もいう仮説(デイアフタートゥモローの元ネタ)があるが、支配的なファクターであるとは考えられていない。

日本近辺の海洋温度はエルニーニョやラニーニャ現象の影響でコロコロ変わる。CO2の寄与率なんて知れたものだ。

昔を振り返ると、6500万年前から温度が下がり始め、200万年前に氷河期に入った。氷河期は比較的温暖な間氷期とを行ったり来たり(約10万年サイクル)する。1.2万年前から間氷期に入り、6000年前の縄文時代が最も温暖だった。その頃、海面は上がり今の東京都あたりは水没していたと考えられている。

1億4500万年前から6500万年前の白亜紀は格段に暑く、北極や南極に氷はなかった。

江戸時代には小氷期があった
小氷期と飢饉と戦乱はセット。南宋の滅亡、明の滅亡、フランス革命、日本の戦国時代。小氷期の前に異常気象は起こる。現代は小氷期の前触れだと捉えた方がむしろしっくり来る。


【IPCCの無理筋】

2014年の寒波の際、とあるIPCC派の学者が「CO2温暖化の影響で北極の氷が溶け、北極付近を回転しているはずの冷たい偏西風が蛇行してアメリカに来たからだ」と説明した。しかし別のIPCC派の学者は「彼の言う学説を唱えている人は他には誰もいない」と批判。気象シミュレーションの条件を少し変えながら何回か試行すると偏西風が蛇行するケースは得られるらしい。あくまで自然現象の範疇だと。
中緯度をぐるぐる回るジェット気流が暖かい空気と寒い空気を分断している。例えばモスクワは北極の空気、つまり寒い方に含まれる。偏西風が蛇行してモスクワの北を通ると暖かい方に含まれるようになり一気に温暖化する(その年だけ)というようなことが起こる。偏西風の気まぐれだ。
なおその批判を入れたIPCC系の学者は一応加えて「とはいえ大雪は温暖化によって水蒸気が増えたからだ」と説明した。

真鍋氏。CO2温暖化の父と言われる。
IPCCの予測モデルは彼が立てた一次元モデルを拡張して使っている。だが、一次元モデルにおいて「気温減率一定(高度が上がるごとに下がる温度を一定とする)」というちょっと無茶な仮定を使っていて、それをそのまま3次元まで拡張してしまったので批判もある。CO2温暖化を主張している大御所(ハンセン)ですらこの点については厳しい指摘をしている。

他にも太陽エネルギーの変化を無視、海流を簡略化、生物化学的変化も無視、それで気候モデルは機能するのか?という疑問がある。
例えば「熱塩循環流」は大規模な熱の運搬役で本来これの影響を無視して気候は語れないはず。実際に過去に起こったことを現行のモデルでは正しく説明できていない。

2001年のIPCCの発表にあった有名な「ホッケースティック曲線」はウソ。
西暦1000年から2000年の温度変化を見ると、2000年近辺で恐ろしく上がっているように見える。これがCO2の増加とリンクしていると言うのだけど、実はグラフを拡大すると上昇は1900頃から始まっていて、それを「1900以降は自然変動で、1950以降は人為的だ」というスッキリいかない説明しかできていない。

また厄介な問題としてIPCCの報告書の2/3は査読なしでも構わない政策論議中心の論文であり、きちんとした科学的知見に基づいているとは言い難いものが存在する。玉石混淆である。(全てが間違いだとは言わないが)

プラネタリバウンダリー(地球の限界)
IPCCのヨハン=ロックストロームが掲げるSDGsのベースで「CO2が400ppmを超えると熱暴走を起こしていずれ地球が金星のようになる」という主張だが、明確な数値的根拠が示されていない。同じようなことを考えている研究者たちの中でもどこがバウンダリーになるか意見が割れている。それなのに「400ppm」が独り歩きという不自然はなぜ起こっているのか疑問。なお「現在がCO2の限界である」と強く主張する人たちの拠り所はこのロックストロームの説から来ている。

ルイセンコ論争
遺伝子やメンデルの法則を否定した二十世紀の生物学者トロフィム=ルイセンコをソビエト当局が支持して、ルイセンコを批判する(遺伝子やメンデルの法則を支持する)学者を弾圧、処刑した。これによってソ連の遺伝子科学は40年は遅れたと言われる。
気象学において近年同じようなことが起きようとしている懸念。

石油消費を減らすことには意味がある。CO2を吸収する技術は将来必要になるかもしれないけど今ではない。
一方、SOxは寒冷化を助けるので絶対に減らすべき(寒冷化が起こったら生物が大量に死ぬ)

シェール(頁岩)ガス
化石燃料は有機物(生物)の死骸の堆積が比重として軽いため、地中のうねりの比較的地表近くに集まるものを採掘してきた。採掘技術の進歩によってもっと小規模でうねりの狭間(頁岩層)にあるようなものも採掘できるようになった。それがシェールガス。これを計算に入れるとあと200年は化石燃料は保つと言われている


【計測に関する疑問】

NOAAの観測所の品質ランクで、ほとんどが5段階でランク4(下から2番目)の観測所のデータをIPCCは使用している。ちなみにランク1の観測所のみのデータを集めると、1930年以降あまり気温は上がっていないという結論になる。

海面上昇は簡単に測れない
風や気圧の影響で1000センチ程度はすぐに変わってしまう。海流の影響も受けやすい。渦も。
どうやって正当な値を測定しているのか十分な説明が無い。

また1980年代の人口衛星による観測が始まる以前の地球平均気温は多くの疑義があるにも関わらず「さも事実」のような扱いを受けている。恣意的な補正を加えることが可能だ。


【CO2と食料危機】

温暖化は食糧不足を助ける
1990年代になって食糧危機と温暖化を結びつける発言がIPCCからなされた。
しかし実験結果はむしろ逆。温度が2度程度であれば上がった方が収穫量は増える。CO2も歓迎。だが金がもらえなくなると困るのでそれらの研究結果はひっそり学会誌に発表された。
そうすると温暖化と砂漠化を結び付けないと食糧危機にならない。しかしそもそも降雨量がゼロの地域は限られているし、温度が上がると地表からの蒸発量が増えるが、地球の2/3は海であり影響は軽微だ。

またそもそも世界の食糧単収は伸び続けている。これはひとえに技術の進歩である。
オーストラリアなどは上振れ下振れが大きい。これは技術に頼らず、広い農地に任せて雑な作り方を続けていることで気象の影響を受けやすいからである。

温暖化でロシアは一大穀倉地帯になるかも知れない。昔日本では北海道で米は取れなかったが今は取れるようになった。

また一方で世界人口は先進国でほぼ横ばい。アフリカで劇的に増えて百年後には今とさほど変わらない線に落ち着くという予測。食糧危機は一時的なものかも知れず、そうすると食糧危機は起きずにむしろ過剰生産が待っている。


【温暖化が起きても実は発生しないこと】

一般に「温暖化が進むとこうなるんでしょ?」と理解されていることのいくつかは間違っている。

シロクマは絶滅しない
もし現在起こっている程度の温暖化で死ぬなら中世に発生した温暖期ですでに絶滅してる。
そもそもヒグマとシロクマは生物学上は同種で、白人と黒人みたいなもの。白人が東南アジアに引っ越したら絶滅するか?という話だ。
シロクマはむしろ増えてて色々な問題が起きている(人間を襲うとか食糧を荒らすとか)

サンゴの白化は温暖化とは無関係
サンゴはプランクトンを自分で捕まえるが、それでは栄養が足りなくて自らの体内に藻類を飼う。これでサンゴに色がつく。
海岸周辺の開発が進むと農業が発達し栄養が撒かれる。これは河川を経由して海に流れる。その結果栄養が十分になりサンゴと藻類の共生は終わる。つまり栄養豊富というサンゴにとってラッキーな状況で起こる現象が白化。
温暖化など微塵も関係ない。
もし温暖化でサンゴが白化するなら赤道直下の南国から白化するだろう。

北極の氷が溶けても発生するメタンガスは知れてる
北極の氷が溶けてメタンハイドレートが流出してもメタンガスはさほど発生しない。メタン酸化細菌が食糧にするから。

体感気温が上がっているのはアスファルトによるヒートアイランドのせい
東京湾沿岸にもビルが建ち、海による冷却効果に期待できない。郊外に住むべし。
しかし夏の上昇が1度以下で冬の上昇は3度以上。むしろ比較的過ごしやすくなっているとも言える


【SDGs】

フランスのイエローベスト運動
「エリートは世界の終わり(環境問題)について語るが、おれたちの問題は月末の給料が払われるかどうかだ」
SDGsの中でも国連が行った意識アンケートで環境は最下位。

環境問題の基本は人口増加
2050年に100億人が想定されているが、それを乗り切ればあとは減少に転じると予想されている

SDGsの矛盾
17のうち半数くらいが実現不可能なお花畑で、残りが気候に結びつくという策略感

飢餓
食糧問題の解決には温暖化は歓迎のはず。でもその「主要因」とするCO2を減らすらしい


【クリーンエネルギーの危険性】

クリーンエネルギーは聞こえはいいが施設建設や部材の開発で使われる化石燃料を考慮していない。そしてエネルギー効率は依然悪い。そのため1000枚の太陽光パネルで得たエネルギーでは2枚の太陽光パネルを作ることすらおぼつかない。

エコ製品は結局どこかで大量の化石燃料を使った結果で出来上がっている。ひとに化石燃料を使わせて自分の手元はエコにする印象トリックだ。

再エネ補助金の持続
太陽光、風力などの効果を過大評価、コストを過小評価している。また渡り鳥やバイオマス利用による森林破壊は無視されている。

自然エネルギーによる環境破壊
1立方メートルの化石燃料と同等のエネルギーを生み出すには、4万立方メートルの水を100m落とすダムを作らなければならない。
風力は水力の5倍、太陽光は4倍の土地が必要

2015年、鬼怒川の洪水
メガソーラー設置のために自然堤防を切り崩し、その外側に新たな堤防を作っている途中だった

地熱発電は重油のエネルギー効率は1/50。これでも割とマシな方

証券会社のウソ
燃料電池の株を客に勧めて自分は逆張りする

ドイツは環境主義
歴史的に自然に人間を合わせるべきと考えてきた。しかし脱原発を進めた結果、火力発電が増えてしまっていま苦しんでいる

【誤情報による扇動】

無根拠もしくは根拠が全く間違っている扇動が世の中には溢れているのでここに挙げる。

温暖化と、台風、熱波、森林火災など異常気象との因果関係が証明されたことはないしそもそも関連性が薄い。

ツバルが海に沈みそうなのは無計画な地下水汲み上げによる地盤沈下。日本でも戦後に同じようなことが各地で発生して問題になった。

約2億5000万年前の古生代に大量絶滅
その時期に過去最大の海退が起きたことが知られている。海退は氷ができると起こることは小学生の科学でもわかる。つまり氷河期だったことが素直に予測される。それにも関わらず、その時代は温暖期だったという仮設を立てる学者がいる。IPCCに媚を売って研究費を得るため

ローマクラブ
1972年頃「警告学」という研究がされていた。外れることが歓迎の様々なネガティブな予測が数々立てられた。
その中で人口増加だけが当たっている。つまり50年前の警告のとおりになってしまったのが唯一人口増加だった。


【CO2と政治】

大前提として研究者の論調は国がコントロールできる。外部から研究費が取れるかどうかは出世に関わる
また論文を出すには査読が必要。したがって研究者の世論統制は案外簡単だ

核兵器のあとの外交ツールとしての環境問題
1990年IPCCがCOPでの条約を作るための資料集めの分析機関としてできた。
1997年の京都議定書まで実はIPCCは人為的温室効果をさほど強く主張していない。つまり全てはIPCCのせい、というわけではない。後ろで国家間の合意があったわけだ。「次の外交ツールは環境問題だな」と。国連も平和的に国際協力するために環境問題が絶好だと考えてこの流れに乗った。

エネルギー問題の視点でCO2を減らすのはよくわかるのだが、過去に石炭からシフトするためにサッチャーがCO2悪者説を後押し。そのための機関としてIPCCが作られた。なんて話もまことしやかに言われている。

ドイツ統一の事情
1987年に連邦議会で温暖化問題に取り組むことを決める。これはイギリスやフランスに「ドイツは軍備拡張などしない(他のことにお金を使う)」とアピールすることで東西統一とEU参入をスムーズにする必要があった

EUは炭素関税(CO2削減できてない国に追加関税)というアイディアが腹にある。これは反発間違い無しだが、EUは既に進めている先行投資を回収する必要がある。なお京都議定書の削減基準が守れたのはリーマンショックのおかげ。逆に言うと景気を後退させなければそんなすぐに排出量が減るわけないということが証明されている。つまりCO2を削減しろということは「お前らの国力を削れ」と強要しているようなものだ。
その点これからCO2排出が増えるのは発展途上国だ。先進国は実は今後ほとんど変わらない。ということはようやく最貧層を脱出した発展途上国に対して「お前らは金の話ばかりして、地球のことを考えろ!How dare you!」と言うつもりなのか?という話。

環境左翼
敵はあくまで自国の権力者。前述のとおり化石燃料で責めるならまず中国やインドに行けよ、とみんな思っている。先進国は既に取り組んでいて、発展途上国に今それを言うのは酷。ターゲットとして最も妥当なのは既に十分に豊かになった「旧発展途上国」たちであるはずだ。

トランプは2019年にパリ協定を離脱
中国が台頭し最大排出国になった。それ以前の先進国たちで削減をがんばる道理がない、と。

【まとめ】

IPCCの嘘
・CO2が地球の気温を決めている
・SDGsを達成しないと我々は幸せになれない
・化石燃料を使わずに現代社会が維持できるという無根拠で現実離れした目標