Category: 科学

アミン使用を楽観してはならない

アミン系溶剤は現行の実用レベルなCCS(Carbon Capture and Storage)プラントで多く用いられているが、個人的には特に疑問も懸念もなく受け入れていた。またリプレイスの試みが進んでいる認識はあったが毒性の視点は正直まったく意識していなかった(知らなかった)話なのでメモ程度だがまとめておく。 こちらの記事 ”What Is the Impact of Amine Emissions?”https://www.envirotech-online.com/news/gas-detection... Read More >>

キノンのカルボキシル化を利用した炭素回収システム

DACC(Direct Air Carbon Capture)はIPCCの第六次レポートでも「オプションではなく、DACCなしでは目標は達成されない」と明示された大注目の領域だ。 しかし既存の技術(例えばClimeworksなど)では巨大なプラントが必要であり、吸着と放出に温度および気圧のスイングが必要になること(エネルギー負荷も大きいこと)、コストが非常に高いこと、などなど課題は多い。 ここで紹介するVerboxはMIT発のテクノロジーで上記の多くの課題を解決する可能性を秘めている。 Youtube動画... Read More >>

「バーバパパのプレゼント」は深い。それか我々が浅過ぎる

1982年の子供向け絵本「バーバパパのプレゼント」の内容が非常に深い。 というか既に40年前からの一般的な指摘の目の前を、未だに我々は浅はかにもフラフラし続けているというだけなのかも知れない。 以下詳述しよう。 本の内容を簡潔に言うと以下のとおり。 バーバの家にサンタがプレゼントを持ってきた。バーバピカリのプレゼントはアフリカの動物たち。 しかしバーバたちの家は寒いところにある。 毛布や防寒具では動物たちは凍えてしまって、発明が得意なバーバピカリは発電の仕組みと暖房を作る。 最初は水力発電に取り組むが寒過... Read More >>

Draw Down〜地球温暖化を逆転させる100の方法〜を読んで私見を述べる

いくつかの回に分けてDraw Downに書かれていた内容をメモ的に整理した。 ・Draw Down〜地球温暖化を逆転させる100の方法〜についてメモ(エネルギー部門)・Draw Down〜地球温暖化を逆転させる100の方法〜についてメモ(農業部門)・Draw Down〜地球温暖化を逆転させる100の方法〜についてメモ(自然保護)・Draw Down〜地球温暖化を逆転させる100の方法〜についてメモ(運輸部門)・Draw Down〜地球温暖化を逆転させる100の方法〜についてメモ(建設・都市部門)・Dra... Read More >>

Draw Down〜地球温暖化を逆転させる100の方法〜についてメモ(材料部門)

『Draw Down』はアメリカのライターが主導し、世界各国の研究者たちが寄稿したプロジェクト的な書籍である。「ドローダウン=二酸化炭素が減少に転じること」のためにできることを、現状行われていることの展望と未来の技術の紹介の大きく2つに分けて示している。 特に「現状の理解」は私個人多くの項目の詳細を知らなかった(あるいは認識すらしていなかった)ため衝撃的だった。社会人必読書と言って良い。しかし400ページ超の2段組ということで実質的なボリュームは一般的な単行本でゆうに3冊分あり、割と読むのが早い私でも読了... Read More >>

Draw Down〜地球温暖化を逆転させる100の方法〜についてメモ(建設・都市部門)

『Draw Down』はアメリカのライターが主導し、世界各国の研究者たちが寄稿したプロジェクト的な書籍である。「ドローダウン=二酸化炭素が減少に転じること」のためにできることを、現状行われていることの展望と未来の技術の紹介の大きく2つに分けて示している。 特に「現状の理解」は私個人多くの項目の詳細を知らなかった(あるいは認識すらしていなかった)ため衝撃的だった。社会人必読書と言って良い。しかし400ページ超の2段組ということで実質的なボリュームは一般的な単行本でゆうに3冊分あり、割と読むのが早い私でも読了... Read More >>

Draw Down〜地球温暖化を逆転させる100の方法〜についてメモ(運輸部門)

『Draw Down』はアメリカのライターが主導し、世界各国の研究者たちが寄稿したプロジェクト的な書籍である。「ドローダウン=二酸化炭素が減少に転じること」のためにできることを、現状行われていることの展望と未来の技術の紹介の大きく2つに分けて示している。 特に「現状の理解」は私個人多くの項目の詳細を知らなかった(あるいは認識すらしていなかった)ため衝撃的だった。社会人必読書と言って良い。しかし400ページ超の2段組ということで実質的なボリュームは一般的な単行本でゆうに3冊分あり、割と読むのが早い私でも読了... Read More >>

Draw Down〜地球温暖化を逆転させる100の方法〜についてメモ(自然保護)

『Draw Down』はアメリカのライターが主導し、世界各国の研究者たちが寄稿したプロジェクト的な書籍である。「ドローダウン=二酸化炭素が減少に転じること」のためにできることを、現状行われていることの展望と未来の技術の紹介の大きく2つに分けて示している。 特に「現状の理解」は私個人多くの項目の詳細を知らなかった(あるいは認識すらしていなかった)ため衝撃的だった。社会人必読書と言って良い。しかし400ページ超の2段組ということで実質的なボリュームは一般的な単行本でゆうに3冊分あり、割と読むのが早い私でも読了... Read More >>

Draw Down〜地球温暖化を逆転させる100の方法〜についてメモ(農業部門)

『Draw Down』はアメリカのライターが主導し、世界各国の研究者たちが寄稿したプロジェクト的な書籍である。「ドローダウン=二酸化炭素が減少に転じること」のためにできることを、現状行われていることの展望と未来の技術の紹介の大きく2つに分けて示している。 特に「現状の理解」は私個人多くの項目の詳細を知らなかった(あるいは認識すらしていなかった)ため衝撃的だった。社会人必読書と言って良い。しかし400ページ超の2段組ということで実質的なボリュームは一般的な単行本でゆうに3冊分あり、割と読むのが早い私でも読了... Read More >>

Draw Down〜地球温暖化を逆転させる100の方法〜についてメモ(エネルギー部門)

『Draw Down』はアメリカのライターが主導し、世界各国の研究者たちが寄稿したプロジェクト的な書籍である。「ドローダウン=二酸化炭素が減少に転じること」のためにできることを、現状行われていることの展望と未来の技術の紹介の大きく2つに分けて示している。 特に「現状の理解」は私個人多くの項目の詳細を知らなかった(あるいは認識すらしていなかった)ため衝撃的だった。社会人必読書と言って良い。しかし400ページ超の2段組ということで実質的なボリュームは一般的な単行本でゆうに3冊分あり、割と読むのが早い私でも読了... Read More >>

ベストセラー「時間は存在しない」を解説する

カルロ・ロベェッリ イタリア人の物理学者カルロ・ロヴェッリの著書でベストセラーとなった「時間は存在しない」の解説をしてみたい。 正直かなり困難な行為だと思う。 というのもこの挑戦的なタイトルはある程度の物理学の知識を持った人には理解しやすいが、初学者にとっては感覚とは完全に反した話だからだ。 したがって「全文読め」と薦めるのが本来正しい。それで理解できる人は理解できるし、理解できない人は理解できない。 しかしそれでは勿体ないくらい著書の内容は非常に面白いので、それを広めるためにも挑戦してみたい。 ここで順... Read More >>

Q.ほとんどの仕事がAIに取って代わられるというのは本当か?

よくあるテーマなのでご多分に漏れず私見を求められることがあります。 【肯定的異論①】 ほとんどの仕事は自動化される。AIの方が人間よりも精度が高い物事が沢山あるのだから当たり前だ。 しかしそれは産業革命から高度経済成長、IT革命など歴史上の様々なシーンで起こってきたことと同じだ。したがっていたずらに恐れる必要はなく、「人間が行うべき仕事の範囲」の自然な変化が緩やかに発生すると考えれば良いだけだ。 【肯定的異論②】 AIは圧倒的に人間に勝る。じきに人間がやるべきことは何もなくなるだろう。 より高精度なAIを... Read More >>

温暖化は森林火災に影響を及ぼしているのか

先日息子(8)にスッキリとした説明ができなかったので調べてまとめる。ちなみにこんなやりとり 娘(5)「ヒアリだ!」息子(8)「あーそれはヒアリじゃないよ。アカアリだよ。ヒアリは絶滅種だからね」私「絶滅じゃなくて根絶な」息子(8)「あ、そっか。人間を、、、傷つけるから、、絶滅させようとしてる、ってやつね!(ドヤ顔)」私「そう、そのとおり」息子(8)「そういえば、コアラが最近絶滅危惧種になったって」私「お、そうだ。今そういう提案がされてるね。なんでか知ってる?」息子(8)「オーストラリアで大きな山火事があっ... Read More >>

『地球温暖化 「CO2犯人説」は世紀の大ウソ』の意訳まとめ

先日なんとも挑発的なタイトルの本を読んだ。 数名の研究者がそれぞれの視点で寄稿したものをまとめた本で、一本の筋道で組み立てられたものではないため自らの理解のためにも意訳のまとめをおこしておく。なお、私はこの分野の専門家ではないので両陣営の是非を問うようなことはしない。そんなことはある意味興醒めだ。 純粋に著作者たちの意図をある程度噛み砕いて並べることにのみ注力したい。なお著作者たちは東京工業大学を始めいくつかの大学や国立研究機関での研究者たちだ。とはいえところどころ偏った思想もチラホラ存在する。しかしそれ... Read More >>

Declarative KnowledgeとImperative Knowledge

たまにMITの講義をedXで聞くのだがalgorithmに関する講義のなかで興味深い話があったのでまとめる。前者のDeclarative Knowledgeが日本語で言えば「お題目」、後者のImperative Knowledgeは具体的な「手順」前者が数式や定義そのもののことを指し、後者がステップ化された命令のこと。前者は何も答えにたどり着く方法を教えてくれない。後者は逆に無機質に方法のみをしっかりと示す。 Imperative knowledgeの代表例がステップ実行のアルゴリズム例えば y * y ... Read More >>

六十進数って聞き覚えがあるかな?

ちょっと面白いネタがあったので『進数』について取り上げてみる。 「2進数」とか「10進数」とか「16進数」とかいうやつだ。 まず簡単に 進数 が何なのか説明すると、 言葉で表現すると いくつで桁が上がるか を表現したものだ。 10進数は普段から一般に使用しているもので 0 → 1 → 2 → 3 → 4 → 5 → 6 → 7 → 8 → 9 → の次は桁が上がって10になる。 2進数なら 0 → 1 → の次が2にならずに桁が上がって10になる。 16進数の場合は 0 → 1 → 2 → 3 → 4... Read More >>