Q. スーパースターの流出を食い止める方法は?
よく受ける相談です。
ズバリ、ありません。
(以上です。とは言わずに続けます)
何故スーパースターを引き止めることはできないかを説明します。
スーパースターは経済的に自立しています。要するに引く手数多だということです。したがって報酬アップで引き止めることはできません。きっとあなたが提示した額よりももっと好条件のオファーをいくつも持っています。
スーパースターは自らの技術と知識以上にアテになるものは無いと考えています。したがって会社が提案する偽りの安定に心が動くことはあり得ません。いつでも不安定の中を生きていく覚悟がとっくの昔にできています。
スーパースターは自らの成長のためのプランを自力で立てています。したがってそれに沿っている限りは活動を共にし、そうでなくなった時は離れる。それ以上でもそれ以下でもありません。
スーパースターは基本的に人の言うことを参考程度にしか聞いていません。したがって説得は無意味です。
こんなん無理ゲーじゃないかと。
そのとおりです。しかし一縷の望みはあります。 それはスーパースターは孤独だからです。 何かしら飛び抜けた能力を持っているということは、彼・彼女と同レベルでディスカッションできる存在は極めて稀だということです。したがって彼・彼女のことをきちんと理解している人は周りにはほとんどいません。 スーパースターは孤独と慣れ親しんでいます。しかし、本心は理解して欲しいし認めて欲しいと思っているのです。
俗っぽい法則として「誰かのアウトプットに対して的確な評論をするにはその人の実力の3分の1あれば十分」というものがあります。 数字に深い意味はありませんが、要するに「評論してマウンティングしてもあなたの実力の証明にはなっていませんよ」という意味で使われます。 しかしここではポジティブに用いてみましょう。 「例え相手があなたの実力を遥かに超えていたとしても、せいぜい彼・彼女の3分の1くらいの理解レベルがあれば、十分話に乗ることはできる」という意味で。
スーパースターは人一倍どころか人十倍、人百倍のアウトプットを出す人ですからその3分の1と言ってもなかなか低いハードルではありません。しかしそこをクリアすればあなたは彼・彼女の理解者になれます。
同レベルでバチバチの議論をすることは不可能でも、寄り添って話を聞き、相談に乗るくらいのことはできます。 一朝一夕でどうにかなるわけではありませんが、これが私が知る唯一のスーパースター流出防止法です。
このポストの内容は以下の書籍の一部(原文)です。興味のある方はぜひ書籍をお求めください。