Q. 起業するかどうか悩んでいるのですが、何か判断の基準になるものはありますか?

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自身のことは結構、というか、まぁまぁ偏った話になってしまうので、ここではまず私が見ている全体感から始めたいと思います。

起業するにあたって、みな様々なモチベーションを持っていることは言うまでもありません。「必ず〇〇」というような明確な共通項を見出すことは極めて難しいように思えます。

社会貢献を目指している人もいれば、とにかく目の前に見えたビジネスチャンスに死に物狂いで手を伸ばしている人もいます。他人から頼まれたり期待されたことをやっているうちに「うーん、これは会社にしとくかなぁ」と成り行き的に起業した人というのもいます。

スタートアップとしてグローバルに劇的なグロースを目指している人もいれば、目の前のニーズを満たして地域に根ざした貢献をすることを目標としている人もいます。

ただ、そのような多様性に満たされた状況の中で、実は唯一の共通項を見出すことができるようにも思うのです。

それは「必然性」です。

必然性とは、必然という言葉の割には実態はとてもあやふやなものです。 世の中にどれだけ必然と呼べることがあるでしょうか。アメリカ大統領選の勝者?中国の台頭?明日の天気が晴れなこと?

そう、必然性なんて概ね嘘っぱちなんです。

でも起業家たちの頭の中には、表に出すか出さないかは置いておいて、ほとんどの場合で「必然性」をこっそり潜ませています。 言葉で言えば 「おれ以外誰がやるんだよ」とか「これについては私が一番よく知っている自信がある」とか「このアイディアは世界で一番最初に僕が気づいたことだ」とか「ここまで来たらやるしかないでしょ」とか「成り行き上仕方がなかった」とか。

どれも客観的に完膚なきまできっちりと否定できてしまうモノばかりです。

でもそれを元に事業を進めていきます。当然多くの場合で周囲からの批判にあったり厳しい声にさらされたりします。でも彼らの内にある必然性は揺らぎません。だって彼らにとっては「どこからどう見ても客観的事実(これからそれを証明します)」なのだから。

そういうものを自分の中に見つけた時。その時に起業しない手はないと強く言えます。

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幸せなIoTスタートアップの輪郭

九頭龍 'kuz' 雄一郎 エンジニア/経営者, 日本の大企業からシリコンバレーのスタートタップまで多種多様な千尋の谷に落ちた経験を持つ。 株式会社ClayTech Founder/CEO, 監査役DX株式会社 Co-founder/CTO, 株式会社スイッチサイエンス取締役, 株式会社2nd-Community取締役, 東北大学客員教授, 東京工業大学非常勤講師, 武蔵野美術大学非常勤講師, 他複数社の顧問など。

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