Q. 頭の固い上司の下についてしまったら万事休すか?

最終更新日

これはスタートアップというよりは、社内の新規事業を立ち上げようともくろんでいたりする方で比較的大きな企業に所属されている方から受けることがある素朴な質問です。
「自分にはやりたいことがある。でも上司はそういう新しい試みに対する理解が一切ない。会社には主体的に部署異動の希望を通すような仕組みもない。これは詰んだのか・・・」というパターンです。
あるあるですね。

ひとつ単純な手法を伝授しておきます。
「上司の上司に行け」です。

これはいわゆる「頭を越える」行為です。 嫌われます。怒られます。「組織の規律に反する」と言われるかも知れません。
確かにそういう考えがあるのは(クソ食らえですが)わかります。

しかし、ここは、とぼけましょう。

いくつか実践的なテクニックがあります。

<ばったり遭遇して立ち話をする>
上司の上司がいつどこでひとりになることが多いかを押さえておきましょう。
その方が喫煙者の場合は喫煙所は絶好の機会です。ある特定の時間は必ず足を止めるからです。
ばったり遭遇したていで一緒に入って話をしましょう。その流れで「うっかり」プレゼンをしましょう。
「ご意見をうかがいたくて」くらいで。
喫煙者でなければ休憩所でもいいですし、ミーティング後の会議室でも良いです。人間なのですから、どこかでリラックスして一人になりたい時間はあるものです。そこを掴まえましょう。

<別の部署のひとに手伝ってもらう>
例えばあなたがA課長を突破してB部長と話がしたいのであれば、別のC課長に手伝ってもらうという手があります。
まずはそのアイディアについてC課長を仲間に引き入れます。 そしてC課長経由でB部長に伝えるもよし、そのC課長と話す機会があるとしてそれに上述の「ばったり遭遇メソッド」を組み合わせて使うこともできます。「Cさんと話しているところにばったりBさんが来たので話聞いてもらっちゃいました。テヘ」というように。 似たような話としてあなたに仮に個人的に仲の良いD部長さんがいたら、そのDさんに手伝ってもらって、、、ということも考えられます。

<メール誤爆>
これはなかなか豪快な手法ではありますが、うっかり送ってみちゃう。
「あ、間違えました。すみません」とかフォローしながら「せっかく送っちゃったんでどういう話かというと」とでも、あとは頑張って下さい。

さて、B部長にリーチしたとしても同じようなことが起きることもあります。理解を示してもらえずむしろ「お前それA課長に言えよ」と返されることがあるかも知れません。というかそういうことがほとんどです。その場合は、

さらに上に行きましょう

やることは同じです。
そうして課長、部長、事業部長、統括本部長、常務、副社長、社長と果てしなくいきましょう。
これは一度誰かさえ口説くことに成功すれば一気に全部がひっくり返るオセロです。

愚痴る前に行動。とぼけて進め。

社長まで行ってダメだった時はどうかって?それが会社を辞める時というやつです。

なお、このメソッドは某社時代に私が師匠と仰ぐAさんに教わりました。
Aさんは一部上場企業で部長クラスだったので社会的にはそこそこまともなひとです。が、彼の行動はサラリーマンとしては全くまともではありませんでした(割愛)
私もAさんを真似てこのメソッドを何度か使いました。良い結果になることもあれば、最終的には失望させられることもありました。そして私はアメリカに行きました。
経験上このやり方は一部の反感を買います。
その際、とぼける、謝る、そして忘れる。これらをやり通す覚悟は忘れずに

九頭龍 'kuz' 雄一郎 エンジニア/経営者, 日本の大企業からシリコンバレーのスタートタップまで多種多様な千尋の谷に落ちた経験を持つ。 株式会社ClayTech Founder/CEO, 監査役DX株式会社 Co-founder/CTO, 株式会社スイッチサイエンス取締役, 株式会社2nd-Community取締役, 東北大学客員教授, 東京工業大学非常勤講師, 武蔵野美術大学非常勤講師, 他複数社の顧問など。

シェアする