ジャパニーズサラリーマンがシリコンバレーへ渡る7つの方法

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america architecture bay boat

こちらにいると日本人ネットワークは色々と広がっていく。
そうやって見ている中での色々な『シリコンバレーへの渡り方』を整理しておこう。
当然一番シンプルでよくある話が研修や駐在で数年アメリカへ来るケースなのだが
ここではそれは取りあげず、もっと先にある永続的なものをにらんだ渡米について考えたい。
「シリコンバレーで勝負したい!」とか
「カリフォルニアののんびりした気候の中で暮らしたい♪」
と考えている老若男女問わず参考になれば幸いだ。

当然だが永住権保持者などは対象にしない。
あくまで「普通に日本でサラリーマンやっている状態からどうやってシリコンバレーに渡るか」
というメソッドにフォーカスする。

なお「シリコンバレー」「シリコンバレー」言うのは私がここにいるからであって
ここで取り上げるほとんどが恐らく多くの国や地域で通用するのではないかと思う。

<1. 自分のケース:知り合いの会社経営者に誘われる>
まずは自分が経験したケース。
これは単純で、シリコンバレーで会社をやっている人間に雇ってもらうこと。
ビザは立場や特性に応じていくつかチョイスがあるので好ましいものを申請すれば良い。

◯利点
・ほとんどの場合で話はスムースに進む

◯欠点
・その会社を解雇されたら即帰国するのが普通(いろいろ抜け穴はありそうだが)
・そもそも日本にいながらその雇ってくれる人間と知り合いにならないといけない

<2. 知り合いの経営者のケース:会社を立ち上げて自分で自分にビザを発行する>
次に単純なのが自分でアメリカに会社を作ってしまうケース。
しかしこれは当然ながら当座の資金が必要だし、
ビザについても実は
「資本比率において日本の資金がある一定の割合以上を占めていること」
というような色々と条件つきだ。
つまり追加投資をアメリカのエンジェルやVCから受けたりするとビザを失効する可能性がある。
これを回避する簡単な方法は「自己資金で最初は回すこと」ちょっと簡単な話ではない。

◯利点
・自分の意志と判断だけでとりあえずすぐに実現可能
・会社を立ち上げるというリスク

◯欠点
・色々な意味で金が必要
・会社を立ち上げるというリスク

※両方に「リスク」と書いたのは「リスクとは+/ーの振れ幅のこと」との友人の言葉を踏襲した

<3. こちらで知り合ったおじさまに多いケース:駐在で来て辞めちゃう>
こちらで知り合った日本人に実は極めて多いのが
「駐在でアメリカに来て帰国命令が出た時にその会社を辞めてしまった」
というケースだ。
こういうひとはこっちでも「サラリーマン」を継続するので
派手な表舞台には登場しないが、実はものすごくたくさんいる。

このケースでもっとも難しいのは、
通常駐在していた会社を辞めたらその時点でアメリカに滞在する権利を失う、ということだ。
つまりちゃんと次を決めてビザのトランスファーだったり
グリーンカードの申請だったりをしなければならない。
またこういう「辞めたい」場合でも、会社から引き止められて
同じグループ会社内で『転籍』するケースもある。
優しくて人材を大事にする会社でなければ大抵そのようなわがままを聞いてもらえないものだが
トライしてみる甲斐はある。

◯利点
・駐在からの永住なら生活の変化はない(家族のケア等)

◯欠点
・『駐在』の時期にしっかり人脈と受け入れ先を見つけておかないといけない
・そもそもシリコンバレーに拠点のある企業に勤めなければならない
・そもそも駐在にならないといけない(普通狙ってなれるものではない)
・辞める時にトラブルにならないことを祈るのみ

ふむ。結構見かけるケースなのだが、条件だけ並べるとなかなか難しいのかもしれない。

<4. 友人に何人かいるケース:外資系に勤めて駐在ではなく移籍する>
3と同数くらいよく見るのが『外資系に勤めていて本社に転籍する』というケースだ。
これは会社との利害が一致しなければならないので少々ハードルは上がるが
会社によっては転籍を推奨していたりして場合によっては話がスムースだったりもする。

◯利点
・渡米するも仕事がほぼ変わらないケースが多く、周りのひと(特に家族)は安心
・最初から渡米=転籍なので仕事上周囲に与えるインパクトも小さい

◯欠点
・まずは本社への転籍を認めている外資系に入らなければならない
・『転籍』を認められるくらい部署内で優秀でなければならない
・駐在の『オイシイ汁』を吸うことを諦めなければならない
渡米後も『現地人』として扱われるので立場はあまりオイシクはない


えー、ここからは若干力技の類いだ。が、実践者はそれなりにいるので当然選択肢のうちだ。

<5. がんばれば夢は叶う?:学生ビザで来て誰かに雇ってもらう>
ビザ取得が最もゆるいもののひとつが学生ビザだ。
特にアメリカの大学は入学に関してはユルいので必然ビザ取得もユルくなる。

◯利点
・とりあえず学費さえ払えば入国は容易い
・とりあえず学費さえ続けば猶予期間は長い

◯欠点
・アメリカではインターンが非常に一般的だが学生ビザでは働くことができない
その状況で誰かに雇ってもらうところまでこぎつけなければならない
(産学共同プロジェクトとかに関われば繋がりができるのかな、、、)
・その会社がビザサポートしてくれるところでなければならない(普通はめんどくさがる)

<6. 運頼み:ロッタリーで当てて移住する>
以前
「いやぁロッタリー当たったんで会社辞めちゃいました。
とりあえずこっち渡ってそれから就職先探そうかなぁ〜と思って」
というラッキーマンを見かけた。ま、そんなひともいるはいる。

◯利点
・当てたもん勝ち

◯欠点
・完全な運のみ
・就職先は自己調達で

<7. 究極の力技:アメリカに帰る予定の永住権/市民権保持者と結婚する>
こちらで知り合った奥様方に稀にいるケース。
旦那さんが日本に駐在していたときに知り合って結婚して帰任時に一緒にこっちへ。

◯利点
・結婚期間がある程度あれば渡米はスムース

◯欠点
・そんなの狙ってするもんじゃないじゃないじゃない
・まずいる?そんなひと周りに?

九頭龍 'kuz' 雄一郎 エンジニア/経営者, 日本の大企業からシリコンバレーのスタートタップまで多種多様な千尋の谷に落ちた経験を持つ。 株式会社ClayTech Founder/CEO, 監査役DX株式会社 Co-founder/CTO, 株式会社スイッチサイエンス取締役, 株式会社2nd-Community取締役, 東北大学客員教授, 東京工業大学非常勤講師, 武蔵野美術大学非常勤講師, 他複数社の顧問など。

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